JMACは1942年創業以来、 企業の戦略について数多くのコンサルティングを行ってきた。では、 長い歴史の中でも変わることのない「JMACにとっての戦略」に対する考え方とはなにか。
(注1) SPECS:Sales Planning / Performance Evaluation & Clinic System
(注2) PPM:: Product Portfolio Management
小林裕(こばやし ゆたか)は1944年 生まれ。1967年一橋大学社会学部卒業。大阪商船三井船舶㈱を経て、1970年(社)日本能率協会に入会。1980年㈱日本能率協会コンサルティングに所属。戦略に関する技術部長としてSTRAC(Strategic Lag Assessment and Clinic Program)とLAPP(Long-range Active Planning Program)を開発。また、 シニアコンサルタントとして様々な企業支援にて活躍。1988年㈱日本能率協会コンサルティングを退社。ATカーニー株式会社Japan法人のパートナーにヘッドハンティングで入社。2002年㈱日本能率協会コンサルティングに復職。経営戦略、事業戦略、マーケティング戦略などのテーマにおいて、外資系コンサルティングファームと弊社との違いを含めて、中堅・若手教育を担当した。更に、戦略研究会を立ち上げ300頁の戦略関係の技術資料をまとめた。
著書には「ストラテジックラグ」「競争力強化のリストラ戦略」「図解リエンジニアリング」「事業計画の立て方」「問題解決力をつける」そのほか著作・雑誌論文など多数。
塩入肇(しおいり はじめ)は1944年 生まれ。1967年東北大学教育学部卒業。㈱小田急百貨店を経て、1970年(社)日本能率協会に入会。1980年㈱日本能率協会コンサルティングに所属。シニアコンサルタントとして様々な企業支援にて活躍。1992年㈱日本能率協会コンサルティングを退社。株式会社センダイ経営設立。現在は同社の代表取締役社長。また、株式会社ヨコオの社外取締役も兼任。
著書は「営業現場のマーケティング」「最強営業軍団のつくり方」「営業実務講座」(共著)「正、続ZB計画におけるデシジョンパッケージとは何か」「消費財メーカーにおける既存製品拡販のためのマーケティング情報の実践的活用法」「営業部門におけるゼロベース計画の適用法」「経営が分かる辞典」(共著)、「ビジネス会議の効率化」(共著)、その他雑誌論文多数。
SMSの考えに基づいた市場シェアアップ戦略手法の特徴を列挙してみると、次の5つに要約できる。
1.マーケットシェアは管理できるという考え方に基づいた手法であること
2.成熟期の戦略は有効戦略の積み上げでなければならないという実践的考え方に基づいた手法であること
3.営業体質の革新をベースとした手法であること
4.組織営業体制の確立を目指した手法であること
5.「売りながら調べ、調べながら売る」新しい時代の営業マンの育成を目指した手法であること
戦略上手になるためには、中長期的視点に基づいた構想力を高める必要がある。この構想力は戦略レベルを設定してそこでのKFS(成功要因)を押さえ、柔軟発想により独特の戦略パラダイムを形成するプロセスを通じて磨き上げられる。戦略パラダイムとは、営業マン、営業マネジャー、マーケティング・スタッフ、トップが共通に理解している市場戦略に伴う「知の枠組み」ないしは「ものの見方の枠組み」のことであり、経験を積み重ねることによりそのレベルが向上する。
「実践 市場シェアアップ戦略~SMS(戦略的マーケティングシステム:Strategic Marketing System)の方法」 1991
小名川真治郎(こながわ しんじろう)は1948年 生まれ。1971年中央大学法学部卒業後、日本能率協会に入会。1980年㈱日本能率協会コンサルティングに所属。 「サービス経営開発室」 室長としてCS経営技術を研究した。その後CS経営事業本部長シニア・コンサルタントとして企業の競争力強化戦略に基づくお客さま価値と企業価値の同時実現を目的として、経営革新のコンサルティングに従事。CS経営推進の第一人者として有名になる。
著書としては「仮説検証型マーケティング~ビジネス革新は顧客の『ひと言』から~」「CS経営のすすめ」「CS経営の実践~お客さま満足を生み出す DCカード「レインボー活動」の全貌~」(共著)「サービスQC実践コース」のほか著書及び論文多数。
戦略とは「競争を有利に展開できる状態を事前に考え準備すること」とJMACでは定義している。つまり、将来の業績基盤づくりのために今から準備して置くことをいう。その考えを踏まえ、CS経営はまさに将来の基盤づくりのために今から準備して置くことをいう。そのためには長期的な視野から戦略的な展開計画を組んでおかないといけない。
つまりCS経営とは目指す顧客の満足を組織的につくり続ける経営で以下の3つのポイントがある。
1.目指す顧客→どのような人や企業を大事するのか、重点化・戦略発想が必要
2.組織的に→CS推進部門や顧客接点部門(営業、コールセンター)ではなく、全社の取り組み
3.つくり続ける→「受け身」だけで終わらず、新しい価値を生み出し続けること
CS経営を実現し続けるためには、組織の中に「5つの機能」を整備していく必要がある。
1.事業戦略と直結しビジョンを示す機能
2.顧客の声を組織に取り込む機能
3.満足を実現し再利用・紹介につなげる機能
4.CS実現人材を育成する機能
5.取り組みを支える機能
神奴圭康(かみやっこ よしやす)1945年 生まれ。1968年中央大学経済学部卒業。1968年(社)日本能率協会に入会。1980年㈱日本能率協会コンサルティングに所属。常務取締役シニアコンサルタントとして、また、戦略マーケティング事業本部長として後輩の育成と業績拡大を実現した。さらに、ITコーディネーターとしてITに重点を置いた経営改革も実践している。企業規模や業種・業態の特性を踏まえ、企業の経営課題をクライアントと一体になった経営改革に携わる。
JMACのHPにおいて「ベテランコンサルタントによる経営改革の知恵袋」を記載・発信した。
著書としては「イントラネットが変えるBPRオフィス革命」「統合経営改革」「市場から何が読めるか~戦略マネジャーのタウンウォッチング~」のほか著書及び論文多数。
現在は常任顧問シニアコンサルタントとして全能連マネジメントアワード審査委員として活躍している。
日本的リエンジニアリングの実践については「顧客満足の実現を原点にした競争優位の創出」をリエンジニアリングの基本目的と考えている。このリエンジニアリングを展開する上で重要となる考え方を、プロセス改革だけでなく、事業展開としての位置づけを重視し、「事業システムの再構築」としての基本定義をしている。事業システムの再構築にあたっては、以下の5つのポイントを基本的なコンセプトと考えている。
1.目的・・・顧客満足、競争優位の革新目標設定に基づく再構築
2.対象・・・社内外のビジネスプロセスを対象としたキープロセスの再構築
3.単位・・・BSU(Business System Unit:事業システムユニット)の発見に基づく再構築
4.改革の着眼・・・組織、業務プロセス、人の3視点からのデザインアプローチによる再構築
(1)社内外の機能が同時連動したシステム
(2)業務システムと情報システムの一体化
(3)人が主体のシステム
5.進め方・・・戦略、システム、人の連動アプローチによる再構築
リエンジニアリングを進める上では全体を事業システムとして捉え次の3つの改革の視点が重要と考えている。
1.組織構造改革
2.業務プロセス改革
3.人材改革
「BPRによる業務革新 (経営革新)~組織・プロセス・人の劇的変革を実現する~」 1994
飯田真悟(いいだしんご)1953年生まれ。1976年横浜市立大学商学部を卒業後、監査法人中央会計事務所入所。1978年公認会計士第3次試験合格。その後、1981年社団法人日本能率協会に入職し、株式会社日本能率協会コンサルティングに転籍。現在は同社テクニカルアドバイザー。
公認会計士であった経験を活かし、会計・業務の両面による経営診断を手がけ、BPR手法による業務改革と中長期計画、予算管理、目標管理までを合わせた統合経営管理システムづくりによる事業戦略の実現を進める。中堅から大手企業まで、トップマネジメント、経営企画などの本社戦略中枢における問題解決パートナーとして信頼を得ている。
著書として「取締役・経営幹部のための戦略会計入門」「絵でわかる損益計算書}「戦略の実現に向けたビジネスプロセス改革」(取材記事)などその他論文、講演ビデオなど多数。
BPRそのものは、以前から経営改革の場にのぼる手法のひとつだった。しかし、BPRを手がけて成功した企業は多くはない「日本企業では、BPRは成功しづらいという現実があります。私たちが行った実態調査によると、計画を実行して予定した成果を出し、財務成果に結びつけているプロジェクトは約10%程度でした」そこに4つの原因があった。
1.トップの強いリーダーシップがないこと、
2.事業戦略の目的を全社の共通認識としていないこと、
3.長期的スパンで行われる構造改革と短期的に求められる成果の両立が難しいこと、
4.IT活用が充分でないことだ。
改めてBPR導入を考えると、毎日従事しているにも関わらず、何をどうすればよいのかわからずに戸惑ってしまう企業は意外と多い。「これまでの実績から導き出した設計の要素は3つある。
1.社内でやるのか、外部に発注するのかなど業務や組織を決める『機能分担』
2.仕事のルールや手段を決める『業務・情報システム』
3.業務を実行する『人材』
なかでも、もっともインパクトがあるのは機能分担の要素である。再設計だからこそ、この過程はリエンジニアリングではなく、リデザインなのだ。
~先の見えない時代「改革は必須となる~「戦略の実現に向けたビジネスプロセス改革カ」 2009
富永峰郎( とみなが みねお) 1964年、東京生まれ。一橋大学を卒業後、新卒で日本能率協会コンサルティングに入社。コンサルタントとして約30年近くにわたり400社に及ぶ企業の構造改革および成長戦略に携わり、専務取締役 経営企画室長となった現在もコンサルタントとして現役を続行中。また近年は、日本企業のグローバル戦略やアジア企業の経営改革にも注力。2014年2月からは、JMAC中国および現地弁護士事務所との合弁企業、J-BUNDコンサルティングの董事長も兼務している。.中国拠点であるJMAC中国代表も務め、東京を基点に、上海、その他アジア拠点で活動中。
著書としては「企業変革プログラム・マニュアル 中国市場開発ATOZ」、「アジア日系企業人材マネジメント実態調査』から見える課題」などのほか掲載論文多数。
経営企画部門は各企業に10人、20人という非常に人数の少ない部門で、全社全体の1%にも満たないポジションですが企業変革において、大変重要な役割を持っていると考える。
「経営環境が安定している時には、様々な事業部門からの経営計画を積み上げ式でまとめていてもなんとかなっていた。しかし、今般の環境変化を鑑みると、企業変革をリードする役割が経営企画部門でなくてはならない。PDCAでなく、OODA(観察:Observe、状況判断:Orient、決断:Decision、実行:Act)やOKR(Objective and Key Result) のような長期な目標を持って一歩ずつ進んでいくかどうかを確認しようという議論が高まっている。これは経営企画がどう貢献するかというのがとても大きなテーマになっている」一橋大学院教授大園恵美氏
経営企画部門は基本的には経営側の立場であるが、経営企画部の実態調査の結果を見ると、事業部門へ積極的に関わる、外部とのネットワークを組む、事業のイノベーションを推進する、などを少数精鋭でやっていくことが重要だと感じた。
「企業変革と経営企画部門の役割」 (11.9 Corporate Planners’ Session P20-33) 2021年1月Business Insights