JMACにおける戦略の巨人たち

JMACは1942年創業以来、 企業の戦略について数多くのコンサルティングを行ってきた。では、 長い歴史の中でも変わることのない「JMACにとっての戦略」に対する考え方とはなにか。

1.パーパス経営の視点からわれわれのコンサルティングスタイルの存在価値を検証すること

経営調査の祖である岡田氏が「経営は生き物である」と述べた通り、テーマが同じでも同業種でも、企業体質や風土は全く違う。それは経営戦略は経営環境と経営資源に影響を受けるためである。したがって、JMACの経営戦略コンサルティングスタイルは経営診断を行ってプロジェクト推進するスタイルをとっている。これは経営調査の祖の時から続けているコンサルティングスタイルである。

2.ブランディングにおける引き金の一つである「本業である創業継承トリガー」にフォーカスを当て、JMACにおける戦略コンセプトを磨く

先輩が残したコンセプトの中で「戦略立案は準備する事である」「経営環境、経営戦略、経営資源の連携から戦略を考える」といった考えは、今でもJMACに根強く残っている。現在はこれらのコンセプトをバージョンアップし、 コンサルティングの現場で使っている。JMACの経営戦略の歴史は、 1949年に入社した岡田潔氏が連合軍主催のトップマネジメントセミナーを受け、 サイエンティフィックアプローチを学び、経営の在り方を科学的に展開したのが最初の一歩であった。 その後、 多くの先輩が経営プロジェクト全体を経険し、書籍やJMAC内コンセプト表で後世に残した。

3.先輩から受け継いだ記憶したい企業文化を弊社コンサルタント達、さらにはクライアントに引き継ぐ

マズローの発展段階をコミュニティで捉えると「自己実現」よりも「自己責任」が重要になる。「自己責任」がある人材が集まると「利他自然」の関係が出来る。「利他自然」のコミュニティは先輩、後輩の関係がフラットで先輩達がコミュニティの「企業史に寄付を行う」。つまり自分たちの知見や経験からの教訓抽出を残す。そしてそれが年月を経て受け継がれ、人材の蓄積が進むと、「記憶したい企業文化」が出来る。JMACではコミュニティの発展段階を「自己責任」「利他自然」「寄付する企業史」「記憶したい文化」と考えている。

戦略を立てるとは

  • 目指すべき顧客満足、 競争優位、誇れる従業員、 社会的信頼が
  • 有効に
  • 実現できるような状態を
  • 事前に考え、 準備しておくこと
準備項目の要素
  • ヒト:仕事の考え方・やり方、新しい仕事への能力など
  • モノ:ハードとソフト、技術とサービス提供など
  • カネ:内部留保、出資金、借入金、株価など
  • 情報:個人の情報感度、組織の情報共有、ITデジタル活用など
  • ノウハウ:知識・経験の蓄積、問題解決技術、熟練者のノウフーなど
  • 企業史:創業から大切にしていること、本業のコア、成長の過程など
  • 企業風土:先達からの継承文化、日常理念としての組織行動など


菊野 恒夫
上記の「戦略を立てるとは」元副社長の菊野恒夫が1984年に作った戦略コンセプト。
経営コンサルタントとして企業を戦略的に支援する場合、重要な準備項目に焦点を当てた考え方が秀逸。
1984年にSPECS(注1)研究所を設立し営業にPPM(注2)の考え方を入れた戦略から行動管理までの診断・実施プログラムを発表
 

(注1) SPECS:Sales Planning / Performance Evaluation & Clinic System

(注2) PPM:: Product Portfolio Management

【コラム】戦略の巨人~戦略的なコラム~

(著者)

近藤 孝憲

経営コンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント

36年のコンサルタントキャリアを通じ、一貫して消費財製造業、卸売業、小売業のサプライチェーン企業へのマーケティングテーマの支援を行っている。特に、食品業界の製造業支援は豊富で、ビジョン・グループ経営戦略、マーケティング戦略から営業活動への実践まで手がけ、小売の現場を知っているコンサルタントとして拡販成果に繋げている。

JMACにおける戦略の巨人たち

岡田 潔

岡田潔(おかだ きよし)は1915年生まれ。1985年病没。1940年早稲田理工学部卒業。1945年海軍技術少佐にて終戦。大東紡績㈱と大日本造機㈱を経て、1949年(社)日本能率協会に入会。翌年には連合軍民間通信局(CCS:Civil Communication Section)主催のトップ・マネジメント・セミナーに参加し、JMAのコンサルティング事業が経営全領域をカバーする方向に転換する改革の推進力を担った。また、CCS講義全般に貫かれていた「サイエンティフィック・アプローチ」の考え方に共鳴し、結果よりもプロセスを重視し、既存概念にとらわれず常に本質を求める同氏のコンサルティング手法が形成されていく契機となった。岡田氏は35年間にわたって、「経営調査」に取り組んだ。経営調査とは、企業内部、外部環境の調査を行い、企業が現在、または将来に直面するであろう問題を抽出し。その問題を解決するための方針を立案する行為である。同氏は経営トップと向き合いながら、「経営とは何か」「組織とは何か」を追求し、企業の経営革新に大きな功績を残した。遺作となった著書として「独創的経営づくり―経営調査35年」を残した。出典:JMAグループの原点歴史編より抜粋

「独創的経営」をいかにして見出し、実現したらよいのか。一体経営とは何か。そのことを思い続け、私の到達した経営の見方が「経営とは人間が作った生きもの」とういうことである。生きものとして見ない限りだめだというのが私の持論である。しかし、この生き物は命も身体も差し替えがきく不思議な怪物のような生き物である。生きものであるが故に個性があり、命があり、成長を求めて外部環境に順応し、内部環境に適応して生きている。しかし、よく考えて見るとこの外部環境も内部環境も人間社会である。そしてもろもろの要因が錯綜し合って出来上がっている風雑な社会で、その中での経営なのである。

もろもろの要因が錯綜してでき上っている人間社会には4つの要因関係が存在する。1.同質、2.因果、3.縁、4.矛盾この4番目の矛盾こそが新しく変わっていく創造革新の原動力になっている。例えば営業と生産はお互いの立場を主張し矛盾を抱えた関係にあるが、「経営のための生産」「経営のための販売」という新しい管理の概念で生産・販売を考えるところに、創造と革新が芽生え、新制度や新しい考え方の態度行動が生まれてくる。「独創的経営づくり―経営調査35年」 1986


井上 省吾

井上省吾(いのうえ しょうご)は昭和5年 広島県福山市生まれ。1961年 (社)日本能率協会に入る。1980年㈱日本能率協会コンサルティングに所属。公認会計士兼シニアコンサルタントとして様々な企業支援にて活躍。「戦略経営」推進のコンサルティングと教育のプログラムSAMIT(Strategy And Management Innovation Technology / Training)を開発した。著書は「戦略経営の考え方と進め方」(MCBシリーズ)、「戦略会計実践コース」(通信教育)、「経営のためのKJ法入門」その他雑誌論文多数。

「戦略経営」の意味とは、一言でいうと「環境の変化に戦略的に対応する能力のある経営」のことで、したがってそれは、経営戦略や戦略経営だけでなく、その戦略を発想し推進する人、システム、風土などを含め、組織全体として戦略的対応力を発揮し得る経営を言う。
 
「戦略経営」とは
1.各層、各部門が自律と調和を基本に分業し
2.それぞれが戦略的に行動し
3.構造改革や体質変革を継続的に推進しうる経営
「戦略経営のすすめ方~戦略発想と行動化のノウハウ} 1986

「戦略経営」の意味とは、一言でいうと「環境の変化に戦略的に対応する能力のある経営」のことで、したがってそれは、経営戦略や戦略経営だけでなく、その戦略を発想し推進する人、システム、風土などを含め、組織全体として戦略的対応力を発揮し得る経営を言う。 
「戦略経営」とは1.各層、各部門が自律と調和を基本に分業し2.それぞれが戦略的に行動し3.構造改革や体質変革を継続的に推進しうる経営「戦略経営のすすめ方~戦略発想と行動化のノウハウ} 1986


小林 裕

小林裕(こばやし ゆたか)は1944年 生まれ。1967年一橋大学社会学部卒業。大阪商船三井船舶㈱を経て、1970年(社)日本能率協会に入会。1980年㈱日本能率協会コンサルティングに所属。戦略に関する技術部長としてSTRAC(Strategic Lag Assessment and Clinic Program)とLAPP(Long-range Active Planning  Program)を開発。また、 シニアコンサルタントとして様々な企業支援にて活躍。1988年㈱日本能率協会コンサルティングを退社。ATカーニー株式会社Japan法人のパートナーにヘッドハンティングで入社。2002年㈱日本能率協会コンサルティングに復職。経営戦略、事業戦略、マーケティング戦略などのテーマにおいて、外資系コンサルティングファームと弊社との違いを含めて、中堅・若手教育を担当した。更に、戦略研究会を立ち上げ300頁の戦略関係の技術資料をまとめた。

著書には「ストラテジックラグ」「競争力強化のリストラ戦略」「図解リエンジニアリング」「事業計画の立て方」「問題解決力をつける」そのほか著作・雑誌論文など多数。

戦略発想とは自己の資源を環境に適合させることにより戦いに勝つノウハウである。
この書籍で戦略を扱う上では戦略の定義を曖昧にしておくことは出来ない。ここでは「戦略とは、できれば戦わずして勝つ。あるいは、無用な戦闘を少しでも縮小するための条件を作っておくこと」と定義したい。
つまり戦闘に入る前に、味方に有利になるように資源の配置を「質量共に」定め、あらかじめ手配しておくことである。これに対して戦術は流れの中での敵の動きへの対応と、与えられた資源の有効活用を考えることである。

事業戦略のステップは下記の6つのステップになる。
1.環境条件をにらみながら(環境分析)
2.どの市場にどのような製品を提供するか考え(製品市場分析)
3.それを成功裡に進めるためのキーポイントを見出し(KFS分析)
4.そのキーポイントに合わせて資源配置を準備し(資源分析とストラテジックラグ分析)
5.実行方法を考え(戦略構想の構築)
6.継続的に粘り強く実施して行く(戦略の行動化)
要するに「事業戦略とは環境と自社資源あるいは能力とのマッチングであり、環境に潜む本質的な成功要因(KFS:Key Factor for Success)を見つけ出して、持てる資源とのギャップ、すなわち、ストラテジックラグを埋めること」である。
「ストラジックラグ~競争に勝つ戦略とは何か~」 1986


塩入 肇

塩入肇(しおいり はじめ)は1944年 生まれ。1967年東北大学教育学部卒業。㈱小田急百貨店を経て、1970年(社)日本能率協会に入会。1980年㈱日本能率協会コンサルティングに所属。シニアコンサルタントとして様々な企業支援にて活躍。1992年㈱日本能率協会コンサルティングを退社。株式会社センダイ経営設立。現在は同社の代表取締役社長。また、株式会社ヨコオの社外取締役も兼任。

著書は「営業現場のマーケティング」「最強営業軍団のつくり方」「営業実務講座」(共著)「正、続ZB計画におけるデシジョンパッケージとは何か」「消費財メーカーにおける既存製品拡販のためのマーケティング情報の実践的活用法」「営業部門におけるゼロベース計画の適用法」「経営が分かる辞典」(共著)、「ビジネス会議の効率化」(共著)、その他雑誌論文多数。

SMSの考えに基づいた市場シェアアップ戦略手法の特徴を列挙してみると、次の5つに要約できる。

1.マーケットシェアは管理できるという考え方に基づいた手法であること
2.成熟期の戦略は有効戦略の積み上げでなければならないという実践的考え方に基づいた手法であること
3.営業体質の革新をベースとした手法であること

4.組織営業体制の確立を目指した手法であること
5.「売りながら調べ、調べながら売る」新しい時代の営業マンの育成を目指した手法であること

戦略上手になるためには、中長期的視点に基づいた構想力を高める必要がある。この構想力は戦略レベルを設定してそこでのKFS(成功要因)を押さえ、柔軟発想により独特の戦略パラダイムを形成するプロセスを通じて磨き上げられる。戦略パラダイムとは、営業マン、営業マネジャー、マーケティング・スタッフ、トップが共通に理解している市場戦略に伴う「知の枠組み」ないしは「ものの見方の枠組み」のことであり、経験を積み重ねることによりそのレベルが向上する。

「実践 市場シェアアップ戦略~SMS(戦略的マーケティングシステム:Strategic Marketing System)の方法」 1991


小名川 真治郎

小名川真治郎(こながわ しんじろう)は1948年 生まれ。1971年中央大学法学部卒業後、日本能率協会に入会。1980年㈱日本能率協会コンサルティングに所属。 「サービス経営開発室」 室長としてCS経営技術を研究した。その後CS経営事業本部長シニア・コンサルタントとして企業の競争力強化戦略に基づくお客さま価値と企業価値の同時実現を目的として、経営革新のコンサルティングに従事。CS経営推進の第一人者として有名になる。

著書としては「仮説検証型マーケティング~ビジネス革新は顧客の『ひと言』から~」「CS経営のすすめ」「CS経営の実践~お客さま満足を生み出す DCカード「レインボー活動」の全貌~」(共著)「サービスQC実践コース」のほか著書及び論文多数。

戦略とは「競争を有利に展開できる状態を事前に考え準備すること」とJMACでは定義している。つまり、将来の業績基盤づくりのために今から準備して置くことをいう。その考えを踏まえ、CS経営はまさに将来の基盤づくりのために今から準備して置くことをいう。そのためには長期的な視野から戦略的な展開計画を組んでおかないといけない。

つまりCS経営とは目指す顧客の満足を組織的につくり続ける経営で以下の3つのポイントがある。

1.目指す顧客→どのような人や企業を大事するのか、重点化・戦略発想が必要
2.組織的に→CS推進部門や顧客接点部門(営業、コールセンター)ではなく、全社の取り組み
3.つくり続ける→「受け身」だけで終わらず、新しい価値を生み出し続けること 

CS経営を実現し続けるためには、組織の中に「5つの機能」を整備していく必要がある。

1.事業戦略と直結しビジョンを示す機能
2.顧客の声を組織に取り込む機能

3.満足を実現し再利用・紹介につなげる機能
4.CS実現人材を育成する機能
5.取り組みを支える機能 


神奴 圭康

神奴圭康(かみやっこ よしやす)1945年 生まれ。1968年中央大学経済学部卒業。1968年(社)日本能率協会に入会。1980年㈱日本能率協会コンサルティングに所属。常務取締役シニアコンサルタントとして、また、戦略マーケティング事業本部長として後輩の育成と業績拡大を実現した。さらに、ITコーディネーターとしてITに重点を置いた経営改革も実践している。企業規模や業種・業態の特性を踏まえ、企業の経営課題をクライアントと一体になった経営改革に携わる。

JMACのHPにおいて「ベテランコンサルタントによる経営改革の知恵袋」を記載・発信した。

著書としては「イントラネットが変えるBPRオフィス革命」「統合経営改革」「市場から何が読めるか~戦略マネジャーのタウンウォッチング~」のほか著書及び論文多数。

現在は常任顧問シニアコンサルタントとして全能連マネジメントアワード審査委員として活躍している。

日本的リエンジニアリングの実践については「顧客満足の実現を原点にした競争優位の創出」をリエンジニアリングの基本目的と考えている。このリエンジニアリングを展開する上で重要となる考え方を、プロセス改革だけでなく、事業展開としての位置づけを重視し、「事業システムの再構築」としての基本定義をしている。事業システムの再構築にあたっては、以下の5つのポイントを基本的なコンセプトと考えている。

1.目的・・・顧客満足、競争優位の革新目標設定に基づく再構築
2.対象・・・社内外のビジネスプロセスを対象としたキープロセスの再構築

3.単位・・・BSU(Business System Unit:事業システムユニット)の発見に基づく再構築
4.改革の着眼・・・組織、業務プロセス、人の3視点からのデザインアプローチによる再構築
(1)社内外の機能が同時連動したシステム
(2)業務システムと情報システムの一体化
(3)人が主体のシステム

5.進め方・・・戦略、システム、人の連動アプローチによる再構築

リエンジニアリングを進める上では全体を事業システムとして捉え次の3つの改革の視点が重要と考えている。
1.組織構造改革

2.業務プロセス改革
3.人材改革

「BPRによる業務革新 (経営革新)~組織・プロセス・人の劇的変革を実現する~」 1994


飯田 真悟

飯田真悟(いいだしんご)1953年生まれ。1976年横浜市立大学商学部を卒業後、監査法人中央会計事務所入所。1978年公認会計士第3次試験合格。その後、1981年社団法人日本能率協会に入職し、株式会社日本能率協会コンサルティングに転籍。現在は同社テクニカルアドバイザー。

公認会計士であった経験を活かし、会計・業務の両面による経営診断を手がけ、BPR手法による業務改革と中長期計画、予算管理、目標管理までを合わせた統合経営管理システムづくりによる事業戦略の実現を進める。中堅から大手企業まで、トップマネジメント、経営企画などの本社戦略中枢における問題解決パートナーとして信頼を得ている。

著書として「取締役・経営幹部のための戦略会計入門」「絵でわかる損益計算書}「戦略の実現に向けたビジネスプロセス改革」(取材記事)などその他論文、講演ビデオなど多数。

BPRそのものは、以前から経営改革の場にのぼる手法のひとつだった。しかし、BPRを手がけて成功した企業は多くはない「日本企業では、BPRは成功しづらいという現実があります。私たちが行った実態調査によると、計画を実行して予定した成果を出し、財務成果に結びつけているプロジェクトは約10%程度でした」そこに4つの原因があった。

1.トップの強いリーダーシップがないこと、
2.事業戦略の目的を全社の共通認識としていないこと、

3.長期的スパンで行われる構造改革と短期的に求められる成果の両立が難しいこと、
4.IT活用が充分でないことだ。

改めてBPR導入を考えると、毎日従事しているにも関わらず、何をどうすればよいのかわからずに戸惑ってしまう企業は意外と多い。「これまでの実績から導き出した設計の要素は3つある。

1.社内でやるのか、外部に発注するのかなど業務や組織を決める『機能分担』
2.仕事のルールや手段を決める『業務・情報システム』

3.業務を実行する『人材』

なかでも、もっともインパクトがあるのは機能分担の要素である。再設計だからこそ、この過程はリエンジニアリングではなく、リデザインなのだ。

~先の見えない時代「改革は必須となる~「戦略の実現に向けたビジネスプロセス改革カ」 2009


富永 峰郎

富永峰郎( とみなが みねお) 1964年、東京生まれ。一橋大学を卒業後、新卒で日本能率協会コンサルティングに入社。コンサルタントとして約30年近くにわたり400社に及ぶ企業の構造改革および成長戦略に携わり、専務取締役 経営企画室長となった現在もコンサルタントとして現役を続行中。また近年は、日本企業のグローバル戦略やアジア企業の経営改革にも注力。2014年2月からは、JMAC中国および現地弁護士事務所との合弁企業、J-BUNDコンサルティングの董事長も兼務している。.中国拠点であるJMAC中国代表も務め、東京を基点に、上海、その他アジア拠点で活動中。

著書としては「企業変革プログラム・マニュアル 中国市場開発ATOZ」、「アジア日系企業人材マネジメント実態調査』から見える課題」などのほか掲載論文多数。

経営企画部門は各企業に10人、20人という非常に人数の少ない部門で、全社全体の1%にも満たないポジションですが企業変革において、大変重要な役割を持っていると考える。

「経営環境が安定している時には、様々な事業部門からの経営計画を積み上げ式でまとめていてもなんとかなっていた。しかし、今般の環境変化を鑑みると、企業変革をリードする役割が経営企画部門でなくてはならない。PDCAでなく、OODA(観察:Observe、状況判断:Orient、決断:Decision、実行:Act)やOKR(Objective and Key Result) のような長期な目標を持って一歩ずつ進んでいくかどうかを確認しようという議論が高まっている。これは経営企画がどう貢献するかというのがとても大きなテーマになっている」一橋大学院教授大園恵美氏

経営企画部門は基本的には経営側の立場であるが、経営企画部の実態調査の結果を見ると、事業部門へ積極的に関わる、外部とのネットワークを組む、事業のイノベーションを推進する、などを少数精鋭でやっていくことが重要だと感じた。

 「企業変革と経営企画部門の役割」 (11.9 Corporate Planners’ Session P20-33)  2021年1月Business Insights